SUMiTAS徳島 スタッフブログ

2026年9月27日日曜日

空室はあるのに、高齢者には貸しにくい。賃貸住宅で起きている「ミスマッチ」

おはようございます😃🌞

SUMiTAS徳島中央店の近藤です。



部屋は空いている。それなのに、住みたい人が借りられない。

高齢者の賃貸住宅をめぐって、そんなミスマッチが起きています。

テレビ朝日系でも9月21日、高齢者が年齢を理由に賃貸住宅を借りにくい問題が報じられました。民間調査では、65歳を超えて賃貸住宅を探した経験がある500人のうち30.4%が「年齢を理由に入居を断られた経験がある」と回答。部屋探しに「とても苦労した」「やや苦労した」と答えた人も合わせて42.8%でした。あくまで特定の民間調査ですが、考えさせられる数字です。

ただ、僕はこれを「大家さんが高齢者に貸したがらない」という単純な話にはしたくありません。

国土交通省も、賃貸人側には孤独死や死亡時の残置物処理、家賃滞納などへの懸念があると説明しています。貸す側にも現実的な不安があります。

僕自身、約23年前に賃貸管理の仕事を担当し、物件の巡回やオーナー訪問、トラブル対応などを経験しました。

その経験から考えても、大家さん側の不安を無視して「高齢者にも貸すべき」と言うだけでは、なかなか現場は動きません。

一方で、人口が減り空室に悩む地域では、年齢だけを理由に入居対象を狭め続けることも、これからの賃貸経営では難しくなっていくのではないでしょうか。

そこで注目したいのが、2025年10月から始まった「居住サポート住宅」です。

大家さんと居住支援法人などが連携し、日常の安否確認、訪問などによる見守り、生活や心身の状態が不安定になった場合の福祉サービスへのつなぎを行います。支援を担うのは居住支援法人だけでなく、社会福祉法人、NPO法人、管理会社なども想定されています。

さらに国は2026年度も、こうした見守りなどを通じて、住宅所有者が安心して住宅を提供できる環境づくりを支援しています。単に「高齢者に部屋を貸してください」ではなく、貸す側の不安を小さくする仕組みをつくろうとしているわけです。

入居者が亡くなった後の残置物についても、国土交通省と法務省はモデル契約条項を整備しています。見守りだけでなく、死亡後に起こり得る問題についても制度面の対応が進んでいます。

もちろん、こうした制度によって地方の空室がどこまで減るのかは、まだ分かりません。

ただ僕は、「空室対策」と「高齢者の住まい」を別々の問題として考える時代ではなくなってきたように思います。

大家さんか高齢者のどちらか一方にリスクを負わせるのではなく、その間を管理会社、居住支援法人、自治体、福祉サービスなどが支える。

空いている部屋と、住みたいのに借りにくい人をどうつなぐのか。

これからの地方の賃貸住宅を考えるうえで、大切なテーマになっていくのではないでしょうか。

参考:テレビ朝日「『家を借りられない』高齢者が増加」⁠/国土交通省「住宅セーフティネット制度」⁠/国土交通省「居住サポート住宅」⁠

それでは、本日はこのくらいにさせて頂きます。

次回も引き続き、当ブログを読んで頂けます様宜しくお願いいたします🤲

2026年9月20日日曜日

「全国の地価は上昇」でも、あなたの土地も上がったとは限りません

おはようございます😃🌞

SUMiTAS徳島中央店の近藤です。

 


国土交通省が9月15日、2026年の都道府県地価調査を公表しました。

全国平均では、住宅地が前年比1.0%、商業地が2.9%上昇。全用途平均・住宅地・商業地はいずれも5年連続の上昇となりました。

ニュースだけを見ると、

「土地の値段は上がっているんだな」

と思うかもしれません。

しかし、徳島で不動産の仕事をしている僕からすると、ここは少し注意が必要です。

徳島県内の基準地の平均地価は28年連続で下落しています。一方で、すべての地点が下がっているわけではありません。たとえば徳島市一番町3丁目の商業地は前年比2.1%上昇。マリンピア沖洲の工業地は4.6%上昇しています。

つまり、

「全国の地価が上がっている」ことと、「あなたの土地の価格が上がっている」ことは別の話です。

逆も同じです。

徳島県全体の平均が下がっているからといって、徳島にあるすべての土地が同じように値下がりしているわけではありません。

実際に土地を査定すると、同じ徳島市内でも価格はかなり違います。

立地はもちろん、道路付け、土地の形や面積、用途地域、周辺環境、災害リスク。そして何より、その場所を「欲しい」と思う人がどれくらいいるのか。

こうした条件を一つずつ見ていく必要があります。

もう一つ知っておきたいのが、今回発表された「基準地価」と、実際に売買される価格は同じものではないということです。

都道府県地価調査は、毎年7月1日時点の基準地について、不動産鑑定士の鑑定評価をもとに都道府県知事が正常価格を判定するもので、一般の土地取引価格を考える際の重要な指標の一つです。

ですから、

「全国で1%上がったから、うちの土地も1%上がった」

あるいは、

「徳島の地価が下がったから、うちの土地も安くなった」

と単純には判断できません。

全国 → 徳島県 → 市町村 → 同じ市内 → あなたの土地。

ズームしていくほど、見えてくる景色は変わります。

地価調査は、自分の土地の価値を考えるための大切な材料です。

でも、本当に売却を考えるときに見るべきなのは「全国平均」でも「徳島県平均」でもありません。

最後は、その土地そのものを見る。

20年以上、不動産の現場に携わってきて、今回の地価調査を見ながら改めて感じたことです。

それでは、本日はこのくらいにさせて頂きます。

次回も引き続き、当ブログを読んで頂けます様宜しくお願いいたします🤲

参考資料
国土交通省「令和8年都道府県地価調査」(2026年9月15日公表)
徳島県「令和8年徳島県地価調査結果について」(2026年9月16日公表)

2026年9月13日日曜日

空き家900万戸。「つくる」から「活かす」へ、国の住宅政策が変わり始めた

おはようございます😃🌞

SUMiTAS徳島中央店の近藤です。




日本には、約6,500万戸の住宅があります。

そのうち実際に人が住んでいる住宅は約5,600万戸。

差し引き、約900万戸が空き家です。

一方で、都市部を中心に新築住宅の価格は上昇しています。

「家が余っているのに、新しい家は高くて買いにくい」

今の日本の住宅市場には、少し不思議な状況が起きています。

そんな中、国土交通省が今日9月10日、新しい住生活基本計画について興味深い解説を公開しました。

そこで使われている言葉が、

「つくる」から「活かす」へ。

です。

今年3月27日に閣議決定された新しい「住生活基本計画(全国計画)」は、2026年度から2035年度までの10年間の住宅政策の指針です。

国はその中で、「市場機能の進化を通じて住宅ストックの価値を最大限に活用」することを方向性として掲げ、「既存の住宅・住宅地の市場を通じた本格的な有効活用」を4本柱の一つに位置付けました。

つまり「つくるから活かすへ」は、単なるキャッチコピーだけではありません。

国の住宅政策そのものが、すでにある住宅をどう活用するかへ、これまで以上に目を向け始めています。

ただ、僕は不動産の現場にいるので、

「空き家が900万戸あるなら、中古住宅として使えばいい」

ほど簡単な話ではないとも感じます。

中古住宅は一軒一軒、状態が違います。

築年数だけではありません。

立地、管理状態、耐震性、雨漏り、設備、これから必要になる修繕費。

同じ築年数でも、買う人から見た価値は大きく違います。

国交省も今回、中古住宅について「性能は大丈夫か」「雨漏りはしていないか」「シロアリ被害はないか」といった買主の不安を挙げています。

そのため、住宅性能を分かりやすく示す仕組みや、インスペクション(住宅診断)の普及などを進め、「新築が買えないから仕方なく中古」ではなく、中古住宅も自然に選ばれる市場を目指しています。

そして、もう一つ気になったのが相続です。

国交省は、これから高齢者が住む住宅が増え、その一部が将来の「空き家予備軍」になることも問題視しています。

相続したときにそのまま空き家にするのではなく、使える住宅なら次の世代へ渡していく。

住宅価格が上昇する中、それが若い世代や子育て世帯にとって比較的手頃な住宅の選択肢になる可能性もあります。

先日、このブログで大和ハウスが新築戸建て事業のエリアを絞る一方、リフォーム、買取再販、仲介など住宅ストック事業を全国で強化するという記事を書きました。

もちろん、一企業の経営判断と国の政策をそのまま結び付けることはできません。

ただ、あの記事で見えてきた変化は、一企業だけの話ではないのかもしれません。

これからの空き家問題は、

「不要な家をどう処分するか」だけではなくなっていく。

残す家。
直して使う家。
次の世代へ渡す家。
そして、役目を終えて解体する家。

それをきちんと見極めていくことが、ますます重要になると思います。

「新しい家を何戸つくるか」から、
「今ある家を、どう次の暮らしへつなぐか」へ。

今回の住生活基本計画からは、日本の住宅市場が向かおうとしている一つの方向が、かなりはっきり見えてきたように感じます。

それでは、本日はこのくらいにさせて頂きます。

次回も引き続き、当ブログを読んで頂けます様宜しくお願いいたします🤲

参考:
国土交通省「空き家900万戸をどう活かす?既存住宅の本格活用にシフトする『住生活基本計画』」(2026年9月10日) 国土交通省 Grasp⁠
国土交通省「住生活基本計画(全国計画)」(2026年3月27日閣議決定) 国土交通省 住生活基本計画⁠


2026年9月6日日曜日

住宅ローン金利が0.25%上昇。「たった0.25%」は毎月いくら?

おはようございます😃🌞

SUMiTAS徳島中央店の近藤です。



9月から大手銀行の住宅ローン金利が上がりました。

三菱UFJ銀行では、新規借入の変動金利が年0.945%から1.195%へ。0.25ポイントの上昇です。三井住友銀行も変動型の最優遇金利を0.25ポイント引き上げ、大手5行すべてが10年固定型を引き上げました。

でも、「0.25%上がった」と言われても、実際の負担がどれくらい変わるのか分かりにくいですよね。

そこで、3,000万円を35年間、元利均等・ボーナス返済なしで借り、金利がずっと変わらないと仮定して単純比較してみます。

年0.945%なら毎月約8万3,900円。
年1.195%なら約8万7,400円。

差は月約3,500円、年間では約4万2,000円です。

4,000万円を借りる場合なら、差は月約4,700円、年間約5万6,000円になります。

もちろん変動金利は将来変わるため、これは「0.25ポイントの差が35年間続いたら」という比較用の試算にすぎません。

また、すでに住宅ローンを借りている人の返済額が、金利上昇と同時に一律で増えるわけでもありません。

例えば三菱UFJ銀行の変動金利・元利均等返済には「5年ルール」があり、金利が変わっても次の見直しまでは返済額が変わりません。ただし、その間も返済額に占める元金と利息の割合は変化します。

僕が今回の金利上昇で改めて感じるのは、

住宅価格だけを見て予算を決める時代ではなくなってきた

ということです。

「3,000万円の家なら買える」ではなく、借入額・金利・返済期間を入れて、毎月いくらなら無理なく返せるのか。そこから逆算して家を探す。

金利が上がったから「買わない」でも、さらに上がる前に「急いで買う」でもありません。

これから家を探す人ほど、まずは物件価格ではなく毎月の返済額を見る。

住宅選びのスタート地点が、少し変わってきたのかもしれません。

※返済額は一定条件による概算です。実際の適用金利や返済額は金融機関、借入条件等によって異なります。

出典:三菱UFJ銀行「住宅ローン金利」「住宅ローンの5年ルール・125%ルールについて知りたい。」、三井住友銀行「住宅ローン」

それでは、本日はこのくらいにさせて頂きます。

次回も引き続き、当ブログを読んで頂けます様宜しくお願いいたします🤲

中古マンション価格に異変。売出価格は上がるのに、成約価格は下がる「ワニの口」とは

おはようございます😃🌞 SUMiTAS徳島中央店の近藤です。 中古マンションの価格について、気になる数字が出てきました。 売りに出される価格は上がっているのに、実際に売れた価格は下がっている。 2026年9月の東京都の中古マンション市場で、そんな対照的な動きが見られます。 こ...